• ホーム
  • てんかんの原因は症候性てんかん?

てんかんの原因は症候性てんかん?

2019年06月15日

脳に何らかの障害や傷が有り、それが原因となるてんかんを症候性てんかんと呼んでいます。
小児期に発病する事が多く、先天性奇形、出産時およびその前後の異常による脳損傷、頭部外傷や脳の髄膜炎、脳炎などの感染症、低酸素性脳症、熱性けいれん、遺伝性代謝異常症が原因となる事が多いです。
但し成人であっても脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷、アルツハイマー病のような神経変性疾患が原因となり症候性てんかんを発病する事もあります。

人間の脳を縦に割ってみると表面を覆うように全体の八割を大脳が占めており大脳は機能別に前頭葉、後頭葉、側頭葉、頭頂葉と分類されます。
そして中心部に大脳に覆われて間脳、中脳、橋、延髄と繋がっており、この部分を総称して脳幹と言います。そして脳幹と背中合わせの位置に小脳が有ります。
これらの脳部分は全て神経細胞という細胞で構成されており、神経細胞は通常は規則正しいリズムで穏やかな電気的活動をする事によって体の各部位から信号を受け取って指示を出しているのです。
そして、体のどの部分と連動しているのかは脳の部位によって決まっており大脳部分では以下の通りです。

  • 前頭葉(主に思考や判断をし、行動に移す機能)
  • 頭頂葉(主に知覚や感覚担当です)
  • 側頭葉(聴覚や記憶、言葉の理解を担当しています)
  • 後頭葉(視覚を担当しています)

脳幹部分は以下の通りです。

  • 間脳(新陳代謝、体温調節、呼吸などを担う自律神経の中枢です)
  • 中脳(視覚や聴覚の反射と体の平衡や姿勢を保つ中枢です)
  • 橋(睡眠に関わっています)
  • 延髄(循環、呼吸のコントロールや咀嚼、嚥下、嘔吐、発声の中枢です)
  • 小脳(運動の強さやバランス調整を行なっています)

症候性てんかんは過去に脳のどこかに病気が原因で神経細胞に傷や障害が残ってしまい何らかのきっかけで、それらのキズや障害が原因となり通常の電気信号が大きく乱されてしまう事で発作が発生します。
電気信号が乱された神経細胞が脳のどの部分の神経細胞かで発作の内容が変わって来ます。
しかし症候性てんかんはてんかん患者全体数から見ると少数派で、大部分は特発性てんかんという別の種類のてんかんになります。

その他てんかんの原因には特発性てんかんがある

症候性てんかんは過去の病気が原因で起こる物ですが、そういった病歴や所見が全く無いのにてんかんが起きる場合が有り、これを特発性てんかんと言います。
全体数としては特発てんかんの方が患者数は多いですが原因は未だに分かっていません。
症候性てんかんが小児に多いのに対し特発性てんかんは年齢を問わずに発生する傾向に有り特に何等かの誘因により発病する事が多いのではないかと推測されています。

発作を起こす誘因となる物がいくつか知られており、以下の通りです。

  • 心理的ストレス(精神的不安感、環境変化)
  • 身体的ストレス(過度の疲労、睡眠不足、何等かの感染症にかかる等)
  • 飲酒(飲酒量とは関係無く酔いから覚める時に発作が起こる事が多い)
  • 光刺激(激しい光の明滅にさらされる)

これらの誘因は小児期にも発生し得ますが、むしろ大人になってから経験する事が多いのが特徴で現在は発作を誘引する物として知られていますが原因となっている事も考えられますので日常生活では出来るだけ、これらの要因を排除するか軽減した方が安全です。

また一部の薬剤は発作を起こしやすくする事が知られています。
抗うつ薬、抗精神病薬、気管支拡張薬、抗菌薬、局所麻酔薬、鎮痛薬、抗腫瘍薬、筋弛緩薬、抗ヒスタミン薬、ステロイド剤等ですが、これらの薬剤の全てが誘因作用を持つのではなく、これらの薬剤が含んでいる一部の成分が誘因となっているので、それらが入っていない薬剤であれば問題はありません。

もし、てんかんと診断された場合に別の疾患で病院に行ったり薬局で薬剤を購入したりする際は医師や薬剤師にてんかんである事を事前に告知しておけば、誘因成分を含まない物を選んでくれます。
てんかんは発作が一回、起きただけではてんかんとは診断されません。
二回以上、同じ発作が起きた時にてんかんと診断されるのです。もし一回でも発作があった場合は上記の誘因にお気を付け下さい。
また既にてんかんと診断されている方も上記の誘因は避けるようにして下さい。